お客さまとMCUD担当者が振り返る

MCUDのCREソリューション
取り組み事例

第1回 東洋冷蔵株式会社

東洋冷蔵株式会社さま(以下、東洋冷蔵)は、かねてより東京支社のリノベーションを行うに当たり、さまざまな課題に直面していました。そこでMCUDが既存オーナーから土地建物を購入し、東洋冷蔵さまが長期にわたって同拠点で事業継続できるよう複数の既存契約を整理して長期の賃貸借契約を締結。併せて東洋冷蔵さまと建物の改修工事を行うというスキームで、お客さまの拠点に新たな価値を提供しました。この取り組みについて、MCUD担当者と共に振り返っていただきました。

東洋冷蔵株式会社
社長室

室長 松永有司さま(左)

課長補佐 舟橋裕香さま(右)

MCUD
開発第一部(物流・産業施設)

シニアマネージャー
担当者

※役職はインタビュー時のもの

ー東洋冷蔵さまは、マグロを超低温下に維持したまま流通させる技術と品質管理、販売力を強みに持つ、日本を代表する総合水産メーカーです。国内トップクラスの取扱高を誇るマグロに加え、サーモン、エビを三本柱に、さまざまな水産物を取り扱い、日本の魚食文化の発展に貢献しています。

業務を止めずにリノベーション

舟橋
当社は全国に12の生産・物流拠点があります。事業開始から40年以上経ち、老朽化した建物の耐震性向上や、冷凍機など設備の環境負荷低減も考慮したリノベーションを行うことが決まりました。そこで2014年、社長直属の専門チームによるプロジェクトが立ち上がりました。
担当者
全国の生産・物流拠点を順次改修していく大掛かりなプロジェクトですね。
舟橋
リノベーションを機にサプライチェーンを見直し、営業拠点の合理化を図ること、今後の設備投資に備えてバランスシートを圧縮したいという課題もありました。でも、社内には不動産に関する知見があまりなくて…。
松永
当社はマグロのリーディングカンパニーとして、生産者と消費者の間に立ち、日本の食文化を守っていくための供給責任があります。特に2016年に改修を決定した東京支社は、全社の販売量の約1/4を占めています。ですから工場・拠点の稼働を止めずにどう改修を行うかが一番の悩みどころでした。
担当者
そこで、私たちがお手伝いする機会をいただきました。
舟橋
そうそう。お互いの親会社である三菱商事を通じて、当社の課題がMCUDさんにも伝わったという経緯でしたね。

数多くの関係者をまとめる役割

舟橋
MCUDさんは私たちと同じ三菱商事グループなので安心感がありました。言いたいことを言え、細かいお願いも遠慮なくできるという…。
担当者
東京支社リニューアル計画の導入部分では、当時の建物オーナーと東洋冷蔵さんとの間の賃貸借契約だけでなく、設備関係など、複雑かつ多岐にわたる契約関連の書類を拝見しながら、一つ一つ地道にクリアしていきました。
舟橋
当時の土地建物のオーナーとのやりとりには、私たちは直接タッチしませんでした。外部との調整は全て担当者さんにお任せできたので、私たちは社内の調整に専念することができました。
松永
私は途中からこのプロジェクトメンバーに加わったのですが、初めて参加した会議でまず驚いたのは関係者の多さでしたからね(笑)。
担当者
ピーク時には40人くらい関係者がいましたから。東洋冷蔵さんとMCUD以外にも、三菱商事、信託銀行、そしてゼネコンにその協力会社など、とにかく多くのプレーヤーが関わっていました。

緻密なスケジューリングで乗り切った

担当者
売主さまのご要望もあり、不動産の売買や賃貸借、設備に係る契約書をまとめあげる期間が約1カ月しかありませんでした。それまでに打ち合せしていたスキームや契約の骨子を契約書面の細部にまで落とし込み、それを説明して締結に持っていく。当たり前ですが、絶対に間違いがあってはなりません。特に設備関係の契約書は難しかったですね(笑)。
松永
私たちの事業はマイナス50度という超低温での維持管理が生命線です。それを担当者さんにご理解いただくところから始まるのですから、大変だったでしょう?(笑)
舟橋
しかも、プロジェクト進行中に子会社となった企業が同じ東京支社の建物に同居することになったので、改修計画の変更が発生したこともありました。
担当者
業務を止めずに改修と引越しを行わなければなりませんから、工事と業務の調整をして、東京支社内で引越しは合計4回やりましたね。
松永
リノベーション工事着工後も、私たちの追加要望に柔軟に対応してくださいました。緻密なスケジュールを作成し、「この日までにこの課題を社内でクリアにしてください」と、私たちの背中を押し続けてくださったおかげで無事に完了できたと思っています。

より働きがいのある工場へ
バリューアップ

担当者
東京支社のリノベーションが完了して約1年半がたちました。その後の状況はいかがですか?
松永
改修前と比べて生産量が2倍になったラインも。工場内のレイアウト変更により作業動線が大きく変わり、効率が大幅に向上した結果です。
舟橋
工場がきれいになり、働く従業員のモチベーションが上がったことも業績アップの理由という工場長のコメントがありました。また、HACCP*の運用に則した工場となったことに加え、私たちのお客さま見学用の専用通路を設置するなど、お客さまに足を運んで見ていただける工場に生まれ変わり、より当社への信頼向上に貢献しています。
担当者
トイレの改修では、アルコール消毒をしないと外に出られない設計としたのは新たな試みでした。これは食品工場ならではで、私たちにはなかった発想。その点も含めて、私たちMCUDにとっても学びが多かったプロジェクトでしたね。

* HACCP:Hazard Analysis and Critical Control Point=危機要因分析重要管理点。食品工場における原料受入から製造、出荷までの全工程で、安全を確保するための管理手法。12の手順と7原則で構成される。

不動産の相談はまずMCUDへ

舟橋
拠点リノベーションプロジェクトはこれからも続きます。不動産の老朽化は今後も避けて通れない課題です。「何とかしなくては」という時に、MCUDさんという心強いパートナーがいてくれて助かります。
松永
「自社の不動産のことはMCUDにまず相談」という道筋ができました。
担当者
私たちとしても、今回の超低温冷蔵拠点のリニューアルという貴重な経験を糧に、CREソリューションの機能をさらに磨いてまいります。
舟橋
私たちの事業では設備や拠点への大型投資は避けて通れません。超低温冷凍機などは一度導入すれば40年くらい使い続けるもの。不動産や設備を自社で保有すべきか、借りた方が良いのかという戦略的な議論にも、MCUDさんからアドバイスがいただけるのがありがたいですね。
担当者
不動産にまつわる複雑な契約関係が絡み合うプロジェクトを、お客さまだけで行うのはとても難しいのではないでしょうか。そこで不動産を生業とする私たちMCUDが、お客さまと土地建物のオーナーや関係者との間に立ち、交渉を含めたやりとりを代行する。それが私たちの大きな役割だと考えています。
舟橋
まさに「餅は餅屋」ですね。これからも頼りにしています。
担当者
はい。これからも何でもご相談ください。

(2019 年 8月収録)

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